販売している商品が競合と大差ないのに、顧客から圧倒的な支持を得ているものもある。それはなぜ? 自社製品の売上が伸び悩んでいることにも関係しているのだろうか?
と疑問をお持ちの方へ。
自社の技術や品質に自信はあるのに、思ったように売れない。他社よりも優れているのに、他社の方が売れているのは納得できないかもしれませんね。
そんなときに見直してみたいのが、「ポジショニング」です。
ポジショニングが明確になると、商品やサービスを顧客へ魅力的に伝えることができるようになり、選ばれやすくなります。
そこで、本記事では小さな会社でも簡単に取り入れられるポジショニングについて、意味や方法を分かりやすく解説します。
ポジショニングとは
ポジショニングとは・・・
引用元: アル・ライズ、ジャック・トラウト “ポジショニング戦略”
数ある競合商品の中から選ばれるためには、顧客に自社製品の価値や優位性を認識してもらう必要があります。その認識を意図的に作り出し、顧客の頭の中のイメージと結びつける作業がポジショニングなのです。
ポジショニングが成功すれば、戦わずして勝てる場所が見つかります。その場所探しをするイメージですね。
簡単に言うと、「○○といえば、▲▲だよね」と思ってもらえるようにすること。あなたの商品・サービスがターゲットの頭の中を占拠できるかどうかです。
【例】アイスクリーム
「子どもが大好きなアイスといえば、ガリガリくん」
【例】ファッション
「セレブ御用達といえば、プラダ」
今の時代は比較されて当たり前です。製品技術もそれほど変わらない。開発した商品を飛ぶように売ることは大企業ですら難しいこと。私たちのような小さな会社であれば、なおさら選ばれる工夫が必要です。
小さな会社がすぐできるポジショニングの方法
ポジショニングは選ばれるために発信する顧客へのメッセージだと言い換えることもできます。そのメッセージを打ち出していくために、小さな会社がすぐできる簡単な方法は「商品・サービスのキャラを決めること」です。
芸能人をひとり思い浮かべてください。キャラの持ち場がはっきりとしていて、強烈なほど支持されます。反対にキャラの持ち場から離れていると違和感を感じて、ファンが離れていくこともあります。これは、あなたの頭の中にキャラの位置づけがされているからです。
STEP1: ポジショニングの軸を決める
どういうキャラ設定にするのかは、正解不正解はありません。「誰から」「どう見られたいのか」を考えるとよいでしょう。大切なのは顧客目線から考えること。商品・サービス目線からではありません。
キャラ設定の切り口を一部紹介しますと
・見た目 : シンプル、カジュアル、フォーマル、癒やし系、意識高い系
・機能 : 簡単、複雑、手軽、オタク、速い、遅い
・環境 : 静か、賑やか、都会風、田舎風
・感情 : 楽しい、怖い、恥ずかしい
・ポジション: 大先生・カリスマ(権威)、仲間(身近)
などの切り口を二軸にとって、自社製品の位置づけを考えていくといいでしょう。競合の商品もマッピングしてみると、自社製品がどこで差別化ができるのかはっきりしてきます。
STEP2:「そのポジショニングは正しく伝わり、共感されるか」をチェックする
キャラ設定ができたら、ターゲットに正しく伝わり、共感されるのかをチェックしましょう。ターゲットのベネフィット(手に入れたい理想の未来)と照らし合わせてみます。
届けようとしているキャラ設定とターゲットのベネフィットがずれていると、顧客は違和感を感じるものです。繰り返しますが、顧客目線であることが大切です。
この時点でターゲット設定が不明確であれば、すぐ着手してください。ターゲティングについて詳しくは『ターゲティングとは? 小さな会社の顧客像の作り方5つのステップ』をご覧ください。
STEP3:「そのポジショニングは自社のビジョンや理念と整合性が取れているか」をチェックする
続いて、ポジショニングが自社のビジョンや理念と整合性が取れているかをチェックします。一貫性を持たせることが重要です。要するに「言っていることとやっていることが違う」ということにならないようにしましょう。
芸能人で例えると、江頭2:50さんがアルマーニを着て美女を侍らせていたり、ローランドさんがジャージを着て、コンビニをウロウロしていたりしているような状態でないかどうかです。
以上、簡単ですが、小さな会社が簡単に取り組めるポジショニングのステップをご紹介しました。
ポジショニングができると、新商品を出すときも、既存商品の売り出し方を路線変更するときにも使えるようになります。さらに、どのような宣伝や情報発信をしていけばよいのかも判断できるようになります。
まとめ
ポジショニングとは、消費者の頭の中に、商品を位置づけること。簡単に言うと、あなたの商品やサービスの「選ばれるためのキャラ設定」を意図的に行うことです。
商品やサービスが「どう見られたいのか」キャラ設定を行い、顧客目線と自社の方向性の観点から整合性をとりながら、ポジショニングを行ってみましょう。
マーケティング活動全体の中で、ポジショニングは売上や利益に大きく影響する重要なステップです。あなたの会社にまだ導入していないようでしたら、ぜひ取り組みを始めてみてください。