WEB集客をしていても、どこかの接点では対面ということもありますね。特に最終的なセールスは対面ということも多いでしょう。
営業ヒアリングや商談、個別面談などで「見込客の話を聞いてきたが、いつも話が長いだけで、先につながらない」という悩みを感じている方もいるかもしれません。
そんなときに磨きたいのが「質問力」です。質問力があれば、短時間で効率よく必要な情報を収集し、見込客の問題整理をすることができます。そして、その後のセールスにスムーズにつなげることができます。
そこで、本記事では売上につなげていくための「質問力」について解説します。
「質問力」を鍛えるには、「ヒアリング」ではなく「インタビュー」という意識を持とう
あなたの最終的な目的は「買ってもらうこと」。買ってもらうことで、商品を通して顧客の悩みを解決し、理想の未来を叶えるができますね。
見込客が「問題だ」と思ってなければ、そもそも買おうとは思わないのです。そのためにあなたは営業ヒアリングや個別相談などでヒアリングをして、問題整理のお手伝いからセールスに結びつけていきます。
多くの人は「ヒアリング=顧客の悩み(要望)を聞く」と考えます。
ところが、いきなり見込み客に「あなたの悩みは何ですか?」と聞いても、答えられないことがほとんどです。見込客は自分自身の問題を自覚していないことがあるからです。
では、どうすればよいのかというと、見込客に「話してもらう」のです。見込客のごちゃごちゃした頭の中を話してもらうことで整理し、見込客が問題を短時間で自覚できるように導きます。
ですから、「ヒアリング」というより「インタビュー」というイメージを持つとよいでしょう。インタビューには「質問」が欠かせません。あなたが適切な質問をしないと、見込客は適切な話をしてくれないからです。
もしくは、好きなように見込み客にしゃべらせておくと、「ダラダラとおしゃべりで終わってしまった」ということになりかねません。
見込客に気持ちよく話をしてもらいつつ、効率よくセールスにつなげていけるようにするためにも、質問力は大切です。
質問力が高いと成約につながりやすい5つの理由
質問力を高めると、その後の成約につながりやすくなります。それには主に5つの理由があります。
2)顧客教育と信頼性構築が自然にできる
3)問題を指摘することなく、見込客が自覚・納得しやすくなる
4)売り込み感を消すことができる
5)満足度が上がる
質問力が高いということは、つまり、コミュニケーション能力が高いということです。限られた時間の中で欲しい結果を導くために、質問力をアップさせることは必須です。
本項では質問力をあげることのメリットを解説します。
関心を持っていることに気付いてもらえる
問題整理のお手伝いをするのですから、相手に話してもらうことが大切です。基本、あなたは質問だけ。相手に8〜9割しっかりと話してもらいましょう。
見込客からすると、これだけ話を聞いてもらうことができれば、「自分にちゃんと関心を持ってくれているのだな」と感じてもらうことができます。
もし、いきなり、あなたや商品のことばかり話しているようであれば、見込客はあなたの話を聞いてくれないでしょう。あなたや商品に興味はないのです。人間は自分のことを話すのが大好きですから、自分に興味を持ってくれる相手に興味をもつのです。
信頼性構築と顧客教育が自然にできる
「関心を持ってもらえている(話を聞いてくれる)」と思ってもらえると、見込客には「話を聞いてやってもいいな」という気持ちになってきます。こうして、信頼性構築が少しずつ進みます。
そうすることで、後に顧客教育(商品の必要性などを伝える)の場面で話を聞いてもらいやすくなります。最終的には見込客が自覚した問題に対し、どのような理想の未来が手に入るのかを説明した後で商品紹介が始まりますから、セールスまでの道のりがスムーズになります。
問題を指摘することなく、見込客が自覚・納得しやすくなる
質問力が高い対話を続けていくと、こちらから問題を指摘することなく、見込客側が問題に気づくことがあります。相手から強く問題を指摘されると責められているような気分になって、拒否されますが、自分が問題に気づけると、心から納得しやすくなります。
また、見込客が問題に気づけなくても、やんわりと問題を提示することで、抵抗感なく受け入れてもらうことができるようになります。
売り込み感を消すことができる
質問力を活かして問題整理をすすめていくと、相手は「売り込まれている」という感覚をあまり持つことがありません(実際には売り込みの流れの一部なのですが)。問題整理に付き合ってくれていることに感謝されることもよくあります。
最初から売り込み感満載で商品の話ばかりしていると、見込客は構えてしまい、話を聞いてくれなくなります。売り込み感を消すことができれば、自然と成約しやすくなるでしょう。
満足度が上がる
見込客が思う存分、「話を聞いてもらえた」と思えば、それだけで、あなたに対する満足度が上がります。商品を購入してもらうのは先ですが、すでに満足度が上がっている状態であれば、クロージングが格段にやりやすくなります。
100発100中とはいきませんが、質問力が高ければ、クロージングの成功率は高まっていきます。もし、購入にいたらなくても、満足度が高ければ、次につながったり、紹介につながったりすることもあるでしょう。
質問力を高める3つのポイント
短時間で質の高い情報を得て、見込客の問題整理をするには、いくつかポイントがあります。今回はその中から代表的な3つのポイントを解説します。
2)曖昧さを定義づけする
3)答えにつまったときは助け舟を出す
具体性を引き出す
見込客の答えに具体性を出すために、以下の切り口で質問するとよいでしょう。
「いつ(いつまでに)・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように・いくらで」
また、
具体的な数字や固有名詞
を聞き出すのも有効です。
分かっているようで、意外と聞き逃してしまうことが多いです。意識的に質問として使うようにするとよいでしょう。
【例】
見込客「営業部門の新規開発プロジェクトチームを組むんですよ」
あなた「そのプロジェクトチームはいつから、何名でスタートするのですか?」
【例2】
※テニスが趣味の見込客に対して
見込客「すごく広い庭が欲しいんです」
あなた「テニスコートで例えると、何面くらいでしょうか?」
見込客「テニスコート4面くらいです」
曖昧さを定義づけする
言葉の中には曖昧なものがたくさんあります。人によって定義が違うので、はっきりと聞き出すと、誤解を減らせます。
見込客「実現できるよう、がんばります」
あなた「『がんばる』とは、具体的に何を実行するのですか?」
答えにつまったときは助け舟を出す
質問をしたときに、すぐに答えられないときがあります。そんなときは、呼び水になるような質問を追加するといいでしょう。
【例】
あなた「ご友人を怒らせた理由は何だと思いますか?」
見込客「うーん・・・なんだろう」
あなた「機嫌がよかったときと、怒っているときに気づいたときの間で何か出来事があったのでしょうか?」
見込客「ああ! そういえば、その前日に送ったメールがちょっとキツかったかもしれない」
あなた「どのような内容のメールでしたか?」
質問をするときに気をつける5つのポイント
営業ヒアリングなどで話をしてもらうとき、何を聞いてもよいというわけではありません。安心して話してもらえるように、聞き手として工夫することがあります。
ここでは主に5つのポイントを紹介します。
2)距離感を考えながら進める
3)相手が答えるのを待つ
4)相手の言葉を受け入れる
5)相槌は丁寧にする
前置きをしておく
営業ヒアリングや個別面談で、見込客は質問されることが分かっているだろうと当たり前に思うかもしれません。
しかし、ヒアリングの前には「質問をさせていただきますね」と見込客に伝え、必ず合意をとりましょう。ヒアリングの目的や相手との関係性にもよりますが、質問されることを責められているように感じる人も時にはいます。
必要に応じて、「答えにくいことは、お答えいただかなくても大丈夫です」など付け加えるとよいでしょう。
距離感を考えながら進める
相手との関係性にもよりますが、いきなり核心に迫るような質問をすると、相手が警戒してしまうことがあります。
最初のうちは簡単に答えられることや、ポジティブな質問をするとよいでしょう。相手の反応を見ながら、深堀りするための質問を付け加えてみるといいですね。
相手が答えるのを待つ
相手に質問をしたら、答えるまで待ちます。間が空くと居心地悪く感じてしまい、次々と質問をしてしまう人がいます。
相手はじっくりと考えていることが多いので、まずは相手が言葉を発するまで待ちましょう。その上で様子を見ながら助け舟を出します。
相手の言葉を受け入れる
相手に「聞いていますよ」と感じてもらうために、相手の言葉を受け入れます。具体的には、相手の言葉を繰り返すとよいでしょう。
見込客「ものすごく怖かったんですよ」
あなた「怖かったのですね。そのあと、どのように乗り越えたのですか?」
相槌は丁寧にする
相手が話している時は、相槌を丁寧にしましょう。オンラインでは特に表情が伝わりにくいので、リアルよりも少ししっかりと相槌をするといいですね。言葉だけでなく、頷いたり、前のめりになったりなど、身体を使うなど工夫することができます。
また、基本は程よい笑顔(ニヤニヤしすぎないこと)で対面し、会話の内容に応じた表情を心がけるようにしましょう。
まとめ
WEB集客をしていても、対面で見込客と接する機会があるのなら、日頃から質問力を上げられるように鍛えておきたいものです。
質問力を高めることで、限られた時間に必要な情報を得ることができ、見込客の問題整理をすることができます。そして、スムーズにセールスへつなげることができますので、成約率が上がっていきます。
質問力を上げるのは、それほど難しいことではありません。質問力をあげることで得られるメリットをよく理解し、実際のコミュニケーションでどんどん実力を上げるようにしてみましょう。