顧客単価をアップさせる方法として、『ダウンセル』というやり方があると聞いた。『アップセル』『クロスセル』もあるらしいが、どういう意味で、どう違う?
売上をアップさせたいと思うが、新規顧客を集めてくるのは難しい。どうすれば・・・
と悩んでいる方へ。
客数を増やすことが難しくても、顧客単価を上げることで売上アップは実現できます。その方法のひとつが『ダウンセル』です。
よく似た用語として、『アップセル』『クロスセル』もあります。マーケティング用語はカタカナが多くて、聞いただけでは分かりづらいですね。
そこで、本記事では『ダウンセル』という言葉を初めて聞いた方向けに、意味やメリット、例、『アップセル』『クロスセル』との違いなどを簡単に解説します。
ダウンセルとは
ダウンセルとは、簡単に言うと、売上ゼロを防ぐ方法です。買ってもらいたい商品をおすすめしたが、価格を理由に迷っている、断られたというときにダウングレードした商品やサービスを購入してもらうことです。
本項ではダウンセルの基礎知識として、次の3つについて解説します。
・ダウンセルのメリット
・アップセル、クロスセル、ダウンセルとの違い
・ダウンセルを活用するためのポイント
ダウンセルのメリットは顧客単価を上げられること
ダウンセルのメリットは『顧客単価を上げられること』です。
【例】
テレビを買いに来たお客さんに最新の商品を勧めてみた。ところが、お客さんの予算とは合わなくて難色を示していて
「そんなにいいテレビいらないんだよ。小さくてもいいし、液晶にこだわっているわけでもないし。」と思っている。
そのような場合、お客さんにとっては、予算内で求める機能が手に入ればよいのですから購入しやすい価格帯の商品をおすすめすることで買ってもらえる可能性が上がります。
お客さんに帰られてしまっては、売上はゼロです。しかし、ダウングレードして安価なものでも購入してもらうことができれば、顧客単価は上がります。
30万円のテレビは売れなかったが、5万円の小型テレビは買ってくれたとすれば、売上ゼロとは大違いです。
アップセル、クロスセル、ダウンセルとの違い
ダウンセルのように顧客単価を上げるための手法として『アップセル』『クロスセル』があります。
アップセルとは、その名の通り、アップグレード版の商品やサービスを購入してもらうことです。
クロスセルとは、関連商品を購入してもらうこと。パソコンを買ったら、セキュリティソフトやマウスなども一緒にお勧めすれば、顧客単価がありますよね。
用語はいろいろありますが、簡単に言うと、どれも『顧客単価を上げる方法』であることに変わりはありません。
アップセルとクロスセルについて、詳しくは下記をご覧ください。
【アップセルとは】初心者向けに意味・メリット・例を超簡単5分で解説
【クロスセルとは】初心者向けに意味・メリット・例を超簡単6分で解説
顧客単価アップはセールス設計段階で組み込むのがポイント
本項ではテレビの例を先に紹介しました。実店舗の例ですね。
他には、同じ方法をネットショップでも使えますし、コンサルティングのように無形のものを売るときにも活用できます。
大切なことは、顧客単価を上げること。『アップセル』『クロスセル』『ダウンセル』をすべて、セールス設計全体にあらかじめ組み込んでおくことがポイントです。
『アップセル』『クロスセル』『ダウンセル』はマーケティングの現場で当たり前に行われていることです。
こうした用語を初めて聞いた方には分かりづらいと感じるかもしれません。そういうときは、あなたの買い物を思い起こしてみると、たくさん例が見つかります。
たとえば、Amazonなどのネットショッピングの画面は勉強になります。購入画面をよく見てみると、顧客単価をあげるための工夫があちこちに仕込まれています。さりげなく顧客単価を上げられる仕組みになっています。購入画面で簡単に発見することができますので、ぜひ観察してみてください。
ダウンセルを実施するために必要な2つのこと
ダウンセルを解説すると、「簡単に顧客単価をアップさせる方法」として、魅力的に感じるかもしれません。
ただ、気をつけなくてはいけない点があります。『アップセル』『クロスセル』『ダウンセル』に関わらず、違和感のないように自然におすすめすることが大切です。そうでなければ、押し売りのような印象を与えてしまい、顧客流出につながってしまう可能性があるからです。
再現性、持続性のある『アップセル』『クロスセル』『ダウンセル』を実施するために必要なことを大きく2つお伝えします。
今の状態からすぐに完璧な顧客単価アップを実現することは難しいかもしれませんが、効率的な売上・利益アップのためにも、コツコツと取り組んでください。
顧客教育を行うこと
セールスばかりに偏りすぎず、日頃から顧客との接触を頻繁に行い、関係性構築と顧客教育を図っておくことが大切です。
顧客がどのような悩み・課題を抱え、どのような理想を手に入れたいと考えているのかを情報収集しておく必要があります。
その上で顧客にとって価値ある情報の提供を行い、商品やサービスの必要性を伝え、信頼性を築いていきます。この土台があってこそ、いざ『アップセル』『クロスセル』『ダウンセル』をしたときに購入してもらうことができるのです。
顧客管理を行っていること
『アップセル』『クロスセル』『ダウンセル』を効果的に行うためにも、顧客管理が必須になってきます。顧客を見込客、新規顧客、既存顧客に分けて、購買履歴などを管理することが必要になります。そのためには数値測定・分析、テスト、仮説立て、検証、改善を欠かすことができません。
『アップセル』『クロスセル』『ダウンセル』を戦略的に設計し、適切なタイミングと手段で適切な商品を適切な顧客にセールスしていく必要があります。
ピンポイントでダウンセルをすれば売上が上がると安易に考えるのではなく、再現性、持続性のある仕組みを構築し、その中でどのようにダウンセルを活かせるのかを考えていきましょう。
まとめ
以上、簡単にダウンセルについて、初心者の方向けに解説しました。
おすすめした商品が高額で手が出せないと価格に迷った挙句に断られたときにダウングレードしたものを売るのがダウンセルです。ダウンセルは顧客単価を上げるためのひとつの手段で、効率的に売上・利益アップにつなげることができます。
アップセルやクロスセルと組み合わせながら、全体のセールス設計し、顧客単価アップを目指していきましょう。