客単価アップで売上を伸ばす6つの方法

売上が伸び悩み始めると、焦りから客数を増やすことばかりに気を取られてしまうことがあります。たとえば・・・

チェック新規顧客獲得ができなくなってきた
チェック既存顧客からの注文額が減ってきた
チェック離脱する顧客が増えはじめている

→「なんとかして、新規顧客数を増やさなければ!」

という発想になりがちです。

客数を増やすことはもちろん大切ですが、新規顧客獲得はお金も時間もかかってしまうものです。売上を伸ばすためにできることは、客数以外にもあります。そのひとつが「客単価アップ」です。

そこで、本記事では「客単価アップ」の観点から売上を伸ばす方法について解説します。

客単価アップのためにできる2つのこと

客単価アップのためにできる2つのこと

新規顧客獲得に躍起になっている会社では、売上が伸び悩んでいる原因の特定ができていないことが多くあります。

試しに、「既存顧客のフォローは具体的にどのようにされていますか?」と聞いてみると、何もしていないことがよくあります。

そのような状態であれば、「客単価をアップすればよい」という発想にたどり着きにくいものです。また、単価アップに関して否定的になりがちです。

「業界の相場があるから、値段は上げられない」「ただでさえ、新規獲得ができないのに、値段を上げたら、顧客を失うかもしれない」という思考になっていることが多いです。

もし、あなたの会社がそのような状況に陥っているのであれば、まずは冷静に売上の要素を分解するところから始めましょう。

売上の方程式 = 客数 x 単価 x 購入頻度

売上の方程式 = 客数 x 単価 x 購入頻度

売上の方程式 = 客数 x 単価 x 購入頻度

この有名な方程式はアメリカのマーケッター、ジェイ・エイブラハムの式です。

さらに、この式を要素分解すると、

客数 → 新規顧客数UP / 流出顧客数DOWN
単価 → 単価UP / 購入点数UP
購入頻度 → 購買感覚を短くする / 購買回数UP

このように分解すると、自社の売上不調がどこにあるのか気づきやすくなります。また、施策も考えやすくなります。

単価は「単価UP」と「購入点数UP」ですね。そこから何ができるのかを考えると、アイデアが出そうな気がしませんか?

このような視点を持つと、少なくとも、

テストのチェック業界の相場があるから、値段は上げられない
テストのチェックただでさえ、新規獲得ができないのに、値段を上げたら顧客を失うかもしれない

という頑なな考えを緩められるはずです。

単に「値上げ交渉をする」ということではなく、売り方を変えれば、積が大きくなるということに気がつくのではないでしょうか。

次項からは、「単価UP」と「購入点数のUP」の具体例を見ていきましょう。

「単価アップ」3つの方法

「単価アップ」3つの方法
客単価アップの1つめの方法は「単価アップ」です。顧客に対して「値段を上げます」というのは言いづらいですが、そう言わずとも、客単価を上げることはできるのです。

単価をアップさせるには、高額なものをおすすめしたり、売り方(見せ方)を変えたりすることで実現することができます。

本項では「単価アップ」のための3つの具体的な方法をお伝えします。自社でも実行できることが必ずあるはずですので、取り組んでみてください。

上位商品を勧める(アップセル)

上位商品を勧める(アップセル)

よりグレードの高い商品をお勧めすることで、単価を上げることができます。専門用語で「アップセル(up selling)」と呼びます。

上位商品を買ってもらうことで、顧客満足度を上げることもできます。

また、時間とお金をかけて新規顧客を探し、30万円のものを売るより、既存顧客に20万円から50万円のアップグレード商品を買ってもらう方が容易な場合があります。

アップセルの例は、

・新車購入を決めた顧客に特別仕様車を勧める
・月額課金のネットサービスをより高速でサポートが充実したプランにアップグレードしてもらう
・飛行機のエコノミー席をビジネスクラスにアップグレードしてもらう

などがあります。

上位商品を売ったり、保証や手厚いサポートをつけることで単価UPができるかどうかを考えてみてください。

アップセルについて、詳しくは『【アップセルとは】初心者向けに意味・メリット・例を超簡単5分で解説』をご覧ください。

松竹梅を作る

松竹梅を作る

売りたいと思う価格を中間に設定し、3パターンの価格帯で売る方法です。

いくつかの選択肢があると、中間を選ぶ人が多いことが分かっています。また、一定の割合で一番高額なものを選ぶ人がいますので、単価アップにつながります。

【例】

・プレミアムコース 30,000円
・レギュラーコース 20,000円
・ライトコース 15,000円

同じ商品を売るのにも、付加価値をつけることで、単価UPができないかどうかを考えてみましょう。

尚、ときおり、選択肢が5つ、6つなど多すぎるケースを見かけます。あまり選択肢が多いと、人は選ぶのをやめてしまうということが科学的に解明されていますので、多すぎる選択肢を設けないようにしてください。

カスタマイズする

カスタマイズする

商品やサービスを顧客ごとにカスタマイズすることで、単価UPが可能です。カスタマイズすることで特別感や満足度をアップさせることができます。そうした価値を好む顧客は一定数いるのです。

カスタマイズすればするほど、元の価格が分からなくなる(意識しなくなる)ので、単価UPする方法としておすすめです。

「購入点数アップ」3つの方法

「購入点数アップ」3つの方法
客単価アップの2つめの方法は「購入点数」です。

単価自体はそのまま、もしくは少しお得にして、購入点数をあげることで客単価アップを図る方法です。

購入点数をアップさせる方法は身の回りにあふれています。業界の慣習にとらわれず、日頃の買い物でのアイデアを応用させることができないか考えてみましょう。

購入点数のアップは、通販業界の手法が優れています。ネットショッピングの他、チラシやテレビショッピングのセールスを見比べてみると、ヒントがたくさん得られます。

具体的な方法を3つ解説しますので、ぜひ取り入れてみてください。

関連商品を勧める(クロスセル)

関連商品を勧める(クロスセル)

購入点数を増やす方法として、関連商品をお勧めできないか考えてみましょう。

関連商品は専門用語で「クロスセル(cross selling)」と呼ばれます。「抱き合わせ販売」というと分かりやすいかもしれません。

クロスセルの例では、

・ランチの後にデザートをすすめる
・ハンバーガー購入時にポテトをすすめる
・車を買ったら、カーテレビをすすめる
・スマホの購入者に、カバーやケースをすすめる

など、さりげなく関連商品を販売している例は日常的生活でよく見かけます。

自社の場合、どのようなクロスセルができるでしょうか。どのようなものをおすすめすれば、顧客の利便性や満足度をあげられるかを考えるとヒントになります。

クロスセルについて、詳しくは『【クロスセルとは】初心者向けに意味・メリット・例を超簡単5分で解説』をご覧ください。

取りこぼしを防ぐ(ダウンセル)

取りこぼしを防ぐ(ダウンセル)

顧客が価格を理由に購入を迷っている、断られた、というときに、購入しやすい価格帯の商品をおすすめします。専門用語で「ダウンセル(down selling)」と呼びます。

たとえば、テレビを買いに来たお客さんに最新の商品を勧めてみた。ところが、お客さんの予算とは合わないようで、難色を示しているとします。

「そんなに高価なテレビじゃいらないんだよ。小さくてもいいし、液晶にこだわっているわけでもないし。」

そのような場合、購入しやすい価格帯の商品をおすすめすることで、買ってもらえる可能性が上がります。お客さんにとっては、予算内で求める機能が手に入ればよいのですから。

30万円のテレビは売れなかったが、5万円の小型テレビは買ってくれたとすれば、売上ゼロとは大違いです。

お客さんに帰られてしまっては、売上はゼロです。しかし、ダウングレードして安価なものでも購入してもらうことができれば、客単価は上がります。

ダウンセルについて、詳しくは『【ダウンセルとは】初心者向けに意味・メリット・例を超簡単5分で解説』ご覧ください。

セット販売

セット販売

セット販売は通販でよく見かけます。Amazonや楽天を覗いてみると、参考になるでしょう。

セット販売にする方法としては、

・2個セット、3個セットなどにしておく
・よく一緒に購入される商品を最初からセットにしておく
・人気商品をセットにしておく

などがあります。

セットで少しお得な価格にしておくと、売れやすくなります。

自社でセット販売ができる方法はないか、アイデアを出してみてください。

客単価UPを「押し売り」にしない3つのコツ

客単価UPを「押し売り」にしない3つのコツ

「単価UP」と「購入点数のUP」について、具体的な方法を解説しました。

客単価UPで気をつけたいことは、押し売りにならないようにすることです。違和感のないように自然におすすめすることが大切です。そうでなければ、顧客流出につながってしまう可能性があるからです。

違和感がないように客単価をアップさせるためのコツは次の3つです

1)関係性構築を行うこと
セールスばかりに偏りすぎず、日頃から顧客との接触を頻繁に行いましょう。

接触して、顧客の悩みや課題を情報収集しておくことで、客単価UPの施策を考えやすくなります。客単価UPは顧客目線が大切です。

2)顧客教育を行うこと
顧客と接触する中で、関係性構築とともに重要になるのが顧客教育です。顧客教育とは、商品やサービスの必要性や価値があるものなのかを伝えることです。

必要性や価値は思った以上に理解されていない、伝わっていないものですので、繰り返し発信するとよいでしょう。

3)客単価アップはセールス設計の段階で組み込んでおく
理想は、客単価アップをセールス設計の段階で組み込んでおくことです。いきあたりばったりで客単価アップを実施するのではなく、どの顧客にどのタイミングでどうやっておすすめするのか、シナリオを作っておくとよいでしょう。

まとめ

まとめ
売上が伸び悩んでいると思ったら、売上の方程式を見返して、どこに原因があるかを探ってみましょう (売上の方程式 = 客数 x 単価 x 購入頻度)

客数を上げることはとても大切なことで、常に取り組む必要がありますが、売上を伸ばす要素に「単価を上げる」という視点も持っておくことがポイントです。

客数以外で単価を上げる方法があるということが理解できれば、さまざまな売上アップの手段を練ることができます。ぜひ、「単価UP」「購入点数のUP」の要素で客単価を上げてみてください。