セミナーを集客に利用して形のない商品や高額商品を効率よく売る方法

チェック形のないもの、見えないものを商品・サービスにしているが、なかなか売りづらくて苦戦する・・・

と悩んでいる方へ。

そんなときは、セミナー集客がおすすめです。

たとえば、資産運用やライフプラン、コンサルティングなどは、具体的にどういうものが手に入るのか分かりづらいですよね。人によって、状況が異なるために、一概に説明しづらいです。また、価格が高額の場合もあり、売るのに苦戦することもあります。

そういうとき、低額や無料のセミナーを開催して、価値あるノウハウなどを提供することで、見込客のリスクを下げつつ、本命商品に興味を持ってもらいやすくなります。その結果、本命商品を買う気満々の人だけに残ってもらうことができます。

セミナー集客の流れは次のとおりです。

セミナーと個別面談の説明 → 個別面談・商談後に収益商品のセールス

本記事では、セミナー集客をどのように企画すればよいかを解説します。

セミナー集客の目的

セミナー集客の目的
セミナー集客は今後の商談や取引につなげるための集客方法のひとつです。本命商品を売るための個別面談・商談に来てもらうために、まずはセミナーに集まってもらう方法です。

ですから、セミナーのテーマは本命商品の説明であることが前提です。セミナーで参加募集するときに、商品・サービスの説明会であることをあらかじめ伝えておくとよいでしょう。

セミナー集客では2段階でセールスを設計します。

集客商品: セミナー
収益商品: 最終的に売りたい商品・サービス

このように2段階でセールスすることをマーケティングでは「2ステップマーケティング」と呼びます。

2ステップマーケティング=見込客を集客してから商品を販売する

2ステップマーケティングは古くからある手法です。セミナー以外でもたくさんの例があります。

【例】

《化粧品通販の場合》
集客商品(フロントエンド):500円の化粧品サンプルセット
収益商品(バックエンド):月額3980円の化粧品定期購入
《学習塾の場合》
集客商品(フロントエンド):1000円の定期試験直前指導
収益商品(バックエンド):年額30万円の受験コース入会

集客商品はマーケティング用語で「フロントエンド」と呼ばれます。見込客を集めるための商品ですので、無料もしくは低額で提供します。サンプル、無料体験や無料相談、モニター価格提供などが集客商品に該当します。

収益商品は「バックエンド」と呼ばれます。高額なものや、継続的利用の商品やサービスを売ります。集客商品のコストを回収した上で収益を出します。

2ステップマーケティングのメリットは次の2つです。

1)見込客にとっては、魅力的なものを気軽にお試しできるのでリスクが低い
2)売り手にとっては、興味関心が高い見込客を集めることができる

集客商品は見込客を集めるのが目的ですので、収益を上げる必要はありません。トントンか赤字で大丈夫です。収益商品の中で収益商品のコストを回収し、なおかつ利益を出せるような設計にします。

本記事では、2ステップマーケティングの集客商品がセミナーである「セミナー集客」に特化して解説します(ターゲット設定と収益商品設計が済んでいる前提で進めます)。

集客商品としてのセミナーを構成する方法3つのステップ

集客商品としてのセミナーを構成する方法3つのステップ

セミナーに人を集める方法も大切ですが、セミナーの内容はさらに重要です。なぜなら、本命の収益商品へつなげることが最終目標だからです。

セミナーを集客商品にするメリットは次の3つです。

1)セミナー形式にすることで、売り手が一方的に話し、見込客に大人しく話を聞いてもらう機会を作ることができる

2)一度に多数の人へ関係性構築と顧客教育ができ、同じ内容で繰り返し開催できるため効率がよい

3)「講師」という立場になることで、専門家のステータスを手に入れられる

通常の商談ですと、売り手との会話になります。時には相手のペースに持ち込まれて、こちらが言いたいことを言えなくなる場合もあります。

一方、セミナーでは大勢を集めて一度に関係性構築と顧客教育をしつつ、売り手の話をずっと聞いてもらうことができます。そのため、収益商品のセールスへ効率よく誘導できるという利点があるのです。収益商品をセールスするときには、軽く背中を押すだけという状態にしておくことができます。

では、限られた時間の中で、どのようなセミナーを作れば効果的なのでしょうか。本項3つのステップでセミナーを構成する方法を解説します。

STEP1:セミナーの内容を整理する
STEP2:セミナーで伝える要素を整理する
STEP3:セミナーの構成と時間配分を決める

STEP1: セミナーの内容を整理する

セミナーの内容を整理する

見込客は価値ある情報を手に入れたいと考えて参加しています。見込客の問題がどのように解決されて、どのような理想が手に入るのかをセミナーで伝えましょう。そのために、まず次の3つを整理します。

①見込客の課題・問題の提示
②見込客の理想の提示
③問題解決方法の提示

尚、③については、具体的な方法をすべて伝えないようにします。集客商品のセミナーで満足してしまったら、収益商品のセールスへつながらないからです。

そこで、おすすめなのは、次の3つを伝えることです。

・解決方法の大枠を解説し、目的・メリット、デメリットを伝える
・理想までのステップを簡潔に3ステップで紹介する
・成功事例をたくさん盛り込む

この3つを伝えることで、解決策を事細かに解説しなくても、セミナーの満足度と収益商品への期待値を上げることができます。

理想的なのは、「とても有益な情報で理解が深まり、解決への希望が持てた。ぜひ、あなたからもっと具体的に教えてほしい」という状態にすることです。

STEP2:セミナーで伝える要素を整理する

セミナーで伝える要素を整理する

収益商品のセールスへ進んでもらうために、セミナーでは次の3点の要素を伝えます。この3点を伝えることで、セミナー時間内に関係性構築と顧客教育を行います。

1)なぜ、その方法が見込客の問題を解決できるといえるのか
2)なぜ、他社ではなく、自社であるべきなのか
3)なぜ、今決断するべきなのか

見込客の問題を解決する手段はひとつではありません。たとえば、ダイエットであれば、「サプリを飲む」「糖質制限する」「運動する」などたくさんの方法がありますよね。なぜ、あなたの提示する手段が見込客の問題を解決できるのかを述べます。

次に、その方法は他社でなく、自社(あなた)を選ぶとよいのかを伝え、納得してもらいます。

最後に、なぜ来月や半年後ではなく、今すぐ決断する必要があるのかを納得してもらいます。すぐ行動しないことで、どんな良くないことが起こるのかを伝えるのも効果的です。合わせて、特別オファーなどを盛り込むとよいでしょう。

以上、3点を書き出して整理してみましょう。マインドマップなどを使って整理するとよいでしょう。ターゲット設定や競合リサーチがしっかりできていれば、アウトプットはスムーズに進みます。

STEP3:セミナーの構成と時間配分

セミナーの構成と時間配分

見込客がセミナーへ参加するには、参加費の他、時間もリスクとなります。初めて会う人に3、4時間も時間を費やしたくないのです。集中力も持ちません。

とはいうものの、1時間しかないと、関係性構築と顧客教育を行うのが難しくなります。

そこで、2時間を目安にした構成と時間配分を行います。目安時間を割り振りましたので、自社のセミナー内容に合わせて調整してください。

1)挨拶と自己紹介 10〜15分

2)なぜ、その方法が見込客の問題を解決できるといえるのか 10〜15分

・見込客の手に入れたい理想の提示
・理想を手に入れるまでに生じる問題の提示
・解決方法の紹介(解決方法の目的、メリット、デメリットなど)

3)なぜ、他社ではなく、自社であるべきなのか:60〜90分

・解決方法の簡潔3ステップと自社の成功事例の提示

4)なぜ、今決断するべきなのか:10〜15分

5)アンケート・個別面談(収益商品セールス)の案内 10〜15分

※必要に応じて休憩を入れる

セミナーの準備ができたら、必ず予行練習を行います。ブラッシュアップのために時間を計測し、動画撮影をして改善点を洗い出ししましょう。

セミナー日時・開催場所を選ぶ方法

セミナー日時・開催場所を選ぶ方法

セミナーの日時と開催場所は人を集められるかどうかに大きく影響します。

まず、日時については、ターゲットの集まりやすい日時を確保します。集客に必要な期間を考慮しておきましょう(集客はセミナー当日のできれば1か月前までに、遅くとも2週間前までに開始しておきます)。

法人の実務担当者であれば、平日の就業時間中がよいでしょう。経営者を集めるのであれば、日中がよいのかもしれません。個人のサラリーマンであれば、平日の夜か土日がよいのかもしれません。主婦であれば、子どもが幼稚園や学校に行っている間がよいかもしれません。

開催場所についても、ターゲットの行動を基準にします。

ひとつは、交通手段から考えます。日常的に電車で移動することが多いターゲットであれば、主要駅から近い場所がよいかもしれません。経営者であれば、車で乗り付けることもありますから、駐車場のあるホテルなどがよい場合もあります。

もうひとつは、ターゲットにふさわしい場所を考慮することです。主婦であれば、あまりビジネスライクな場所だと緊張してしまうかもしれません。経営者であれば、高級な雰囲気がある場所がよいかもしれません。

また、現在はオンラインでのセミナーも増えています。ターゲットによって、オンラインが苦手な場合もありますので、事前に参加方法や操作方法を解説する配慮も必要になります。
リアル会場とオンライン両方同時に行うこともあり得ます。

日時と場所は正解がありませんので、ターゲットの行動を考慮して企画し、回を重ねるごとに改善していきましょう。

セミナーへ見込客を集める方法

セミナーへ見込客を集める方法

まず、セミナーに何人集めるのか目標を定めましょう。

決して、多ければよいというものではありません。大人数になると参加者全員の様子を伺いながらセミナーを進めることができないので、あえて少人数にする場合もあります。あなたが進めやすいと感じる人数に設定しましょう。

セミナーの告知をする方法はたくさんあります。有料・無料、オンライン・オフラインなどを組み合わせて複数利用すると効果的です。

①知り合いに直接個別でメッセージを送る
②メルマガやLINEなど自社の見込み客リストで告知する
③ブログで募集する
④SNSで募集する
⑤紹介を頼む
⑥チラシを手渡しする
⑦チラシを置いてもらう
⑧セミナーポータルサイトに登録する
⑨FAX DMを使う(法人向け)
⑩WEB広告を出す

セミナーの価格と申し込み方法

セミナーの価格と申し込み方法
セミナーの価格と申込み方法も集客に影響します。

価格については、参加しやすい価格にしましょう。一概にいくらとは言えませんが、3000円〜5000円程度がおすすめです。高度な専門分野や、高所得者向けの場合であれば、もっと価格を上げた方がよい場合もあります。

募集の際に早割、チラシ限定などで特別価格を提示するのもよいです。

無料セミナーもよく見かけますが、あまりオススメしません。客層が悪くなったり、ドタキャンが増えることがあるからです。

また、申込み方法は簡潔にし、支払い方法は複数用意するとよいでしょう。申込みや支払い方法が面倒くさいという理由で離脱されることはよくあります。

まとめ

まとめ
2ステップマーケティングを利用すると、見込客のリスクを下げてセールスをすることができます。集客商品と収益商品に分けて2段階で設計しましょう。

集客商品をセミナーにする場合は、見込客にとって価値ある情報提供であることに加え、収益商品への誘導につながる要素を組み込んでいくことがポイントです。

セミナー集客は高額であったり、形のない本命商品を売るときに効率よく成果を上げることができる方法ですので、ぜひ取り入れてみてください。