腕に自信を持って、飲食店を開業したものの、集客で苦戦している・・・
とお悩みの方へ。
競争が激しい飲食業界であるのに、コロナ禍のような予測不能な事態が起きると、あっと言う間に打撃を受けてしまいます。
急に集客をしようとしても、何をどこから始めればよいのか分からず、困惑している人も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では集客方法の選択基準とその方法を初心者の方向けに解説します。
飲食店の集客方法を選ぶ前に考えること
飲食店の集客方法はいろいろありますね。
たとえば、オフラインとオンラインという分け方だけでも、次のようなものがあります。
オンライン:ホームページ、グルメアプリ、各種SNS、グーグルマイビジネス、WEB広告など
では、何でもいいのかというと、そうでもありません。業態や規模にもよりますし、お金と時間には限りがあります。自力でやるなら、スキルの問題もあります。ターゲットにとって、自分たちにとって、向き不向きもあります。新規顧客なのか、リピート客なのかでも異なります。
また、「集客」はこれら媒体を使うだけではありません。お店内外の改善(メニュー、接客、単価、回転率、外装、内装など)でも、できることはあります。サービスの質や評判が悪いなら、集客方法の問題ではないこともあるからです。
何となく選んだものを何となくやり続けていたり、やりっぱなしで次々に集客方法を変えていたりすると、成果は出ません。
集客の最終的な目的は「利益を増やす」ことですね。それを忘れずに、次の3つのステップで集客方法を選ぶとよいでしょう。
1.現在の問題点を洗い出す
2.問題点の本当の原因をつきとめる
3.原因に合った集客方法を選ぶ
これらのステップを無視して、「●●集客が流行っているから、やる」など、手段ありきにならないようにしましょう。まずは仮説を立て、なぜ、その集客方法を選ぶのかをはっきりさせます。
また、集客方法を選択したら、やりっぱなしにせず、一定期間で効果測定・検証をしましょう。結果に対し、評価し、改善を加えていくことの繰り返しが利益を増やす上で大切なことです。
当然ですが、集客手段とともに重要なのが、発信するメッセージの内容です。お店のコンセプトは定まっていますか?
コンセプトがメッセージの軸になりますので、不安がある場合は『【飲食店向け】「マーケティンク」って何をすること? 超基本を3ステッフで解説』を御覧ください。
とはいうものの、小さなお店の場合、店内のオペレーションだけで手一杯が現状でしょう。費用対効果を考えると、外部のコンサルタントに相談するのもひとつの手です。その場合、次の5つの点に注意しましょう。
1)飲食店のコンサルタントとして改善の実績があること
2)かかる費用や契約について、きちんと説明してくれること
3)専門用語を使わず、あなたが理解できるように分かりやすく説明できる能力があること
4)あなたの話をよく聴いてくれること
5)判断をコンサルタントに丸投げせず、結末の責任を自分で負うこと
小さな飲食店ができる集客方法5つの選択基準
集客はお金と時間があれば、いくらでも複雑に手を広げることができます。
とはいえ、店のオペレーションで手一杯、マーケティングに詳しくない、ITが苦手などの状態であれば、どんな集客方法をどう選べばいいのか難しいですね。
そのような場合、次の5つの選択基準を持っておくと、集客の方向性を考えやすくなります。
1)新規客なのかリピート客なのか(もしくは両方)を選択する
2)複数の集客方法を選択する
3)オンラインとオフラインを選択する
4)顧客の連絡先を入手する
5)自分にあっている方法を選択する
新規客なのかリピート客なのか(または両方なのか)を選択する
普段の集客を聞いてみると、新規客とリピート客を区別せず、何となくやっている飲食店が多いです。
新規客、リピート客をまずは区別し、それぞれ「なぜ、集客する必要があるの?」と考えてみましょう。「新規客が必要なはず」と思っても、その原因により、実はリピート客を増やすことに注力するほうがよい場合もあります。
「新規客は来るけど、再来店が少ない」「新規客がなかなかこないけど、来てくれれば通い続けてくれる」などが分かると、本当の原因が分かり、必要な対策を講じやすくなります。
また、新規客獲得とリピート客には、それぞれ別のメッセージを発信する必要があります。一斉に発信しているようであれば、意識的に分けることを考えていきましょう。
複数の集客方法を選択する
ひとつだけの集客方法に頼らないようにしましょう。SNSしかやっていない、ホームページがあるだけ、口コミだけ、チラシだけ、では集客効果は下がります。
まず、現在の集客方法を評価してみましょう。効果が出ていない場合、改善を行い、評価します。それを何度か繰り返した上で効果がないと判断すれば、別の方法を取り入れます。
このような流れで複数を組み合わせていくようにします。
オンラインとオフラインを選択する
複数の集客方法と重なるところはありますが、複数の集客方法の中にオンラインとオフラインを組み合わせると効果的です。
オフラインに頼りっぱなしであると、コロナ禍のように、突然顧客に接触する機会を失うことがあります。
とはいうものの、オフラインだからできることもあります。オンラインは不特定多数にリーチできますし、オフラインは手間がかかりますが、小回りが効く、距離感が近いなどメリットも多くあります。
顧客の連絡先を入手する
顧客の連絡先を入手する方法を考えましょう。名前と連絡先(メールアドレスやLINEなど)だけでも十分です。誕生月まで入手できれば、かなり効果的なアプローチができます。
連絡先を入手しておくメリットは、こちらからいつでも接触できるということです。看板や
ホームページ、SNSなどを見てもらうのは顧客任せになりますが、連絡先があれば、こちらから接触が可能になります。
自分に合っている方法を選択する
集客媒体を選ぶ場合、基本的には、あなたのターゲットがよく使っているものを選びます。とはいうものの、それがいくら良くても、自分でできない、どうしても苦手ということもあるでしょう。
Youtubeで動画を公開した飲食店があるから、やる。SNSで成功した飲食店があるからやる。
それでできればよいですが、どれだけ頑張ってもできないことを無理やりする必要はありません。あなたに合った方法で継続でき、なおかつターゲットへ届く集客方法はないか考えてみましょう。
自分にはできないけれど、外部に頼むことで解決する場合もあります。費用対効果を考えてアウトソースするのもよいでしょう。
新規獲得/リピート向上パターン別集客方法
集客の方向性が分かってきたら、実際に集客を開始しましょう。
ここでは、新規・リピート別、オンライン、オフライン別で集客方法を紹介します。新規・リピート、オンライン・オフラインをそれぞれ組み合わせて取り組んでください。
集客は改善しながら持続していくことで成果が出ますので、やりっぱなし、ほったらかしにならないような仕組みにしておくことがポイントです。定期的に計画、実行、評価、改善ができるよう、そのための時間と予算を確保しておくようにします。
そもそも店の存在を知られていない、集客をしていない場合の集客方法
新規客を獲得するためには、まず店の存在を知ってもらうことが大切です。露出を増やすことを考えましょう。
オフライン、オンラインともに、質、量ともに十分な情報量と連絡・予約の利便性、接触頻度(更新頻度)があることが前提です。
新規客を獲得するのは、リピーターよりも5倍ほど(業界にもよる)手間とコストがかかることも覚えておきましょう。
【オフライン】
・ポスティングや折り込みチラシを利用する
・地域のフリーペーパーなどに広告を出す
・地域のイベントに参加し、住民と交流をはかる
・リピーターに口コミをお願いする(オフライン・オンラインの口コミ両方)
【オンライン】
・グルメアプリに登録する
・Googleマイビジネスに登録する
・ターゲットがよく使うSNSで情報発信する
・(店によっては)予約システムを導入する
・ホームページの作成
リピート客が少ない場合の集客方法
そもそも、新規客8割くらいはリピートしないと思っておきましょう。その中で、次の3つの観点から施策を考えます。
・リピート客数を増やすこと
・一人の顧客のリピート頻度を増やすこと
・リピート時の単価を増やすこと
想定しているターゲットが喜んで来てくれそうなことは何か、ターゲット視点で内容を考えてください。
リピート客は新規客ほどコストをかけずに売上を上げられます。また、新規顧客を連れてくることもあります。新規客獲得に必死になりすぎると、リピート客のフォローが疎かになりがちですので、しっかりと対策しましょう。
【オフライン】
・びっくりするほど良い特典のある、すぐ貯まるポイントカードを導入する
・リピーター専用のクーポンを作る(新規顧客と別扱いにする)
・顧客の住所がある場合、手書きのお礼状を出す
・リピーター専用の特別メニュー、特別サービスを企画する
・顧客の顔と名前を覚えて関係性、信頼性構築を行う
・アップグレードメニューの特別対応で単価アップを狙う
【オンライン】
・来店客にLINE公式などで連絡先を入手し、来店につながる価値ある情報を定期的に届ける(リピーター専用のサプライズやクーポン、新規客を連れてきたときのプレゼント)
・誕生月の情報を入手し、特別なオファー(家族、友人を連れて楽しめるような企画や、高単価メニューなど)をLINEやメルマガで個別対応する
ところで、リピートの場合、集客方法の問題だけではないこともあります。味、メニュー、接客、単価、オペレーション、店の雰囲気など期待値を下回っていた場合はリピートしてもらえませんので、集客外の対策が必要です。
反対に集客上の発信が期待感を過剰に上げるような内容だった場合、発信内容の期待値を下げ、ギャップを埋めましょう。
まとめ
集客方法を選ぶときは、目的と基準をまずはっきりさせましょう。新規客/リピート客、オンライン/オフラインなどを複数組み合わせて、継続的に集客していくことがポイントです。
集客手段が目的にならないよう、定期的に計画・実行・効果測定・検証・改善を行い、成果につなげていってください。そのための時間と予算をあらかじめ確保しておくようにします。また、費用対効果が高いようであれば、外部専門家の手を借りることも検討してみましょう。