信頼関係を構築する方法をネット集客における見込客のステージ別に解説

ビジネスで信頼関係を構築することは必須です。対面ならば、今まで積み上げてきたものがあるので、分かりやすいでしょう。

しかし、これからネット集客も取り入れたいとなると、途端にどうすればよいか分からなくなってしまいますね。

そこで、本記事では、ネット集客で見込客と信頼関係を構築するポイントを解説します。

対面で信頼関係を築くヒントは質問力を上げる方法~営業ヒアリングに使えます~をご覧ください。

ビジネスで信頼関係を構築する理由

ビジネスで信頼関係を構築する理由

ビジネスの目的は「利益を出すこと」です。そのためには顧客に買ってもらう必要があります。売り買いには金銭のやりとりが発生しますから、お互いに安心して取引ができるように信頼関係を構築するのです。

いくら商品が良さそうでも、売り手の正体が怪しい、言っていることが疑わしくて、「やっぱり、やめておこう」と思った経験があなたにもあるでしょう。

最終的に見込客が「この会社(人)からなら買ってもいい」と思えるようになるには、購入に至るまでの信頼関係構築が欠かせません。また、継続的な取引につなげていくためにも、信頼関係構築は重要です。ビジネスは最初から最後まで信頼関係の構築を続けます。

取引において、「約束したことを確実に守る」というのは、「信頼」ではなく「信用」です。「私は〜しますから、あなたは〜してください」という条件のもと成り立つものですね。これは最低ラインです。

では、信頼とは何でしょうか?

信頼とは、「信じて、頼る」ということです。そのためには、単に「取引上の約束を守っている」「普段から営業に行って面会しており、長い付き合い」ということだけではありません。

ビジネスでは、「顧客が抱えている問題(痛みや欲求)を理解しており、問題解決に一緒に取り組めている」のが信頼関係のある状態です。

ネット集客で見込客と信頼関係を構築するときの3つのポイント

ネット集客で見込客と信頼関係を構築するときの3つのポイント

ネット集客をしている場合、信頼関係の構築は「リアルよりも楽なのでは?」と思っている人が多いかもしれません。しかし、ネット集客の場合、リアルに比べて難しくなります。

なぜかというと、リアルに比べて、圧倒的に情報量が少なくなるからです。

対面の場合、表情やしぐさから感じ取ることのできる微妙な変化や、同じ空間にいることで共有できる五感から誠意や安心感を得ることができ、信頼関係構築につながっていきます。

ところが、メルマガなどの情報は文字だけになってしまいます。画像や動画を利用することで伝えられる情報量は上がりますが、必ず読んでもらえるとも限りません。

また、どうしても一方通行になってしまい、通常のコミュニケーションのようにリアルタイムにはいかず、信頼関係の構築に時間がかかります。

しかし、ネット集客で信頼関係構築ができないわけではありません。次の3つのポイントを意識的に情報発信に取り入れてみましょう。

ポイント1:接触頻度を上げ、定期的に継続する
ポイント2:聴覚と視覚両方を利用する
ポイント3:価値ある情報を届ける

ポイント1:接触頻度を上げ、定期的に継続する

接触頻度を上げ、定期的に継続する

接触頻度は多いほうがよいですし、定期的に継続することが大切です。

月に1回だけのメルマガ配信であれば、あっという間にあなたの存在は忘れ去られるでしょう。また思い出したとしても、すぐに忘れてしまいます。その間に競合へ行ってしまうこともあります。

信頼構築以前に存在を覚えてもらうことができません。メルマガであれば、少なくとも週に一度は接触できるようにしたいものです。

また、定期的であることもポイントです。長期間ほったらかしのホームページを見ていると、メンテナンスをされていないことがすぐに伝わります。そうした状態から、見込客はあなたの誠意や情熱を感じ取ることはできないでしょう。「定期的に更新している」ということも、信頼性を高める要素のひとつなのです。

ポイント2:発信に聴覚と視覚両方を利用する

発信に聴覚と視覚両方を利用する

視覚だけの場合、文字だけの発信より、画像がある方が伝わる情報量が増えます。さらに、聴覚を利用した音声や動画を利用すると効果的です。

あなたは文字で伝える方が得意かもしれませんが、人によっては動画で見るほうが理解しやすい、記憶に残りやすいなど、人によって得手不得手や利便性があることを覚えておくとよいでしょう。

ポイント3:価値ある情報を届ける

価値ある情報を届ける

そして、質も大切です。役に立たない情報をただ頻繁に送りつけているだけでは、信頼関係の構築にはつながりません。価値ある情報を届けるようにしましょう。

価値ある情報とは、「顧客が抱えている問題の解決につながる情報」のことです。このように伝えると「ノウハウを伝えること」だと思ってしまいがちですが、それだけではありません。

「相手の感情や欲求に寄り添うようなこと」「相手の気付きにつながるようなこと」「自分たちがビジネスにかける想いや情熱、こだわりを伝えること」などを通して、あなたを「信じて頼れる存在」だと感じてもらうことができます。

具体的にどのような発信すればよいかを次項で解説します。

信頼関係構築を意識したメッセージの考え方【見込客ステージ別】

信頼関係構築を意識したメッセージの考え方【見込客ステージ別】

見込客と信頼関係構築をするためには、価値ある情報を届けることが大切であることをお伝えしました。

では、そのために具体的にどのような内容を届ければよいのでしょうか。

信頼関係を構築するのは、最終的に「買ってもらう」ことが目的です。そのためには、セールスの時に見込客が次の3つを理解していることが大切です。

1.なぜ、それ 
問題を別の手段もあるのに、なぜ、あなたの商品が解決になるのか?

2.なぜ、あなた
同じような商品やサービスを提供している人は他にもあるのに、なぜ、あなたから買う必要があるのか?

3.なぜ、今
後ではなく、なぜ、今買う必要があるのか?

この状態まで少しずつ階段を上がってもらうように価値ある情報をメッセージにして届けます。

ところで、ここでは「見込客」は「購入前の未来のお客さま」と一括りにしていますが、購入までの心理的距離はいろいろです。

・あなたの商品・サービスを知らず、自分の問題にも気づいていない人
・商品・サービスがあることは知っているが、自分に何が必要か分からず、ぼんやりと悩んでいる人
・あなたの商品・サービスに魅力は感じているが、今すぐ購入する理由がない人
・問題解決の必要性がはっきりしており、今すぐ解決したい状態

それぞれの距離感で、どのようなメッセージを届けると価値があると感じ、信頼してもらえるようになるのかを解説します。

あなたの商品・サービスを知らず、自分の問題にも気づいていない人

Sあなたの商品・サービスを知らず、自分の問題にも気づいていない人

この距離にいる人は、ニーズ(解決したい問題)がはっきりしておらず、ウオンツ(解決したい欲求)にも気づいていません。この状態の人には、気付いていない問題があることを伝えるコンテンツを届けましょう。

【例】

あなたが、塾を経営しているとします。

・子どもが落ちこぼれになることに気づかない母親の特徴
・なぜ、あなたの子だけ勉強が遅れるのか?担任も見落としている3つの理由

このように、問題があることに気付いてもらう内容を届けます。あなたの存在を知りませんから、ブログやSNS、広告などを通して見つけてもらえるようにします。

問題に気付いてもらうと同時に、さりげなく次のようなことが伝わるような工夫をして、存在を認知してもらい、信頼関係構築を始めます。

・誰なの?
・そんなことを言える立場なの?(実績、専門性)
・なぜ、それが正しいと言えるの?(理論、証拠)

商品・サービスがあることは知っているが、自分に何が必要か分からず、ぼんやりと悩んでいる人

商品・サービスがあることは知っているが、自分に何が必要か分からず、ぼんやりと悩んでいる人

この距離にいる人は、ニーズ(解決したい問題)が漠然としており、ウオンツ(解決したい欲求)も低めです。他社の商品とも比較していますが、迷っていたり、損したくないという気持ちがあったりします。

この状態の人には、問題整理と商品・サービスの必要性が分かる内容を届けます。このときのポイントは、自社だけでなく、他社の商品の優れた点も伝えます。自社だけのものを主張するより、公平感があり、信頼性を高めることにつながります。また、「あなたの問題に寄り添っています」というスタンスを伝えることで距離感を縮めることができます。

【例】

・3つの学習法を50人の子どもが検証。6ヶ月のビフォー&アフター結果発表
・3000人を指導したベテラン塾講師が勧める、子どものタイプ別学習法とは

あなたの商品・サービスに魅力は感じているが、今すぐ購入する理由がない人

あなたの商品・サービスに魅力は感じているが、今すぐ購入する理由がない人

この距離にいる人は、競合をすでに利用していたり、ニーズ(解決したい問題)への意識が低い場合もあったりします。この状態にいる人は、ニーズ(解決したい問題)を高める工夫をします。

「専門性(権威)」「実績」「期待感」「希少性」や「問い合わせへの丁寧な対応」で、あなたの商品・サービスに対する価値を上げましょう。

【例】

・なぜ、○○学習法が子どもの落ちこぼれを防ぐのか? 大手○○塾20年の指導歴アリの○○氏が解説
・○○学習法を実践した落ちこぼれの子ども50人が3ヶ月後に偏差値10アップ。その実績の詳細を初公開
・50人の落ちこぼれ小学生が偏差値10アップを実現した○○学習がさらにバージョンアップ。1月1日公開の前に一部を紹介
・1月1日20名限定募集の○○学習法、先着10名さまに限り30%オフで提供します

問題解決の必要性がはっきりしており、今すぐ解決したい状態

問題解決の必要性がはっきりしており、今すぐ解決したい状態

この距離にいる人は、ニーズ(解決したい問題)もウオンツ(解決したい欲求)も高いです。「私たちに任せて下さい」「後悔させません」という熱意を届けることで、あとひと押し、信頼性を上げる工夫をしましょう。

また、セールスの前に買わない理由を潰しておく段階でもあります。次のような不安を解消する内容にするとよいでしょう。

・他でもっと安く買えるのでは? (高めなら、それだけの価値があることを説明)
・なぜ、こんなに安いの? (安いなら、安い理由が必要)
・買っても使いこなせないかも知れない(使い方を丁寧に解説する、サポートをつける)
・この会社(人)から買っても大丈夫?(専門性、実績、こだわり、理念、熱意を伝える)

この状態までくると、信頼関係が高まり、「なぜ、それ」「なぜ、あなた」「なぜ、今」をクリアできます。

まとめ

まとめ
「買ってもらう」という目的を果たすためには、売り手と買い手の信頼関係が欠かせません。リアルに比べ、見込客との信頼関係構築が難しいネット集客ですが、見込客との距離感に応じたコミュニケーションを取ることで解決することが可能です。

見込客との距離感を4つのステージに分け、適切なメッセージを届けることで信頼関係を構築することができます。セールスの前には「その商品をあなたから今すぐ買いたい」という状態まで見込客を連れていけるようにすれば、よい取引につながるでしょう。