WEB集客を始めると、一度は聞く「ABテスト」。
新規のお問い合わせが思ったように増えない・・・
サイトの直帰率が高すぎる・・・
など、成約に向けての課題があると感じたときに、ABテストはオススメの改善テストです。
ABテストは簡単に行うことができ、予算が少なくても手軽に始めることができます。本格的にWEB集客をするのであれば、売上に大きく影響するほど重要です。
そこで、本記事では、ABテストの意味や目的、メリット、ポイント、テスト箇所について解説します。
ABテストとは
ABテストの目的はページのコンバージョン(成約)を最大化することです。何をもって成約とするかは、ページにより異なります。資料請求、メルマガ登録、新規お問い合わせ、予約、商品購入など、さまざまです。
ABテストでは、ページの一部を2パターン用意して、どちらが成果を出せるかを一定期間検証します。例えば、「サイトのヘッダー画像をどちらにすれば、コンバージョンが上がるのか」をチェックします。
サイトの構成、文言や画像などは、ちょっとしたことでコンバージョンに大きく影響することがあります。ABテストをすることで、顧客目線でページを改善し、成約率を上げていくことができるようになります。
成約の検証に使う指標はコンバージョン率(conversion rate/略してCVR)です。Conversionの意味は「転換」です。CVRが高くなるように改善するテストがABテストです。
成約率は次の式で求められます。
成約率(コンバージョン率、CVR)=成約数÷アクセス数
たとえば、あなたの目的がメルマガ登録だったとします。今月は10件の登録があり、アクセス数が1000だったとすると、CVR=10÷1000=0.01=1% ということになります。
ABテストのメリット
続いて、ABテストをなぜ行う必要があるのか、メリットを解説します。
1)お金をかけずにコンバージョンを上げられるから
コンバージョンを上げるには、ABテストだけが手段ではありません。広告費をかければ、お金でアクセスを買うことができ、結果的にコンバージョンにつなげることもできます。
しかし、広告費を無限にかけられるわけではありません。反面、ABテストであれば、少しずつページを改善することで、予算が少なくても、コンバージョンを上げることができます。ABテストには無料で使えるツール(後述)もあります。
2)工数をかけず、リスクが少なく実施できるから
ABテストは小さなテストです。「申し込みボタン近辺を変えるだけ」「キャッチコピーを変えるだけ」「画像を変えるだけ」を実施し、検証します。
サイトのリニューアルほど予算や時間がかかるわけではありません。また、ユーザーへ大きな影響を与えませんので、リスクも小さくて済みます。
3)機会損失を防ぐことができるから
事前にABテストをしておくと、ページの抜け漏れをカバーし、コンバージョンを最適化することができます。そして、いよいよ広告を出したとき、集まったアクセスを成約に無駄なく転換することができます。機会損失を防ぐという観点でも、ABテストは有効です。
ABテストを行うための5つのポイント
ABテストをやってみたいと思ったときに、やみくもに始めてはいけません。ABテストを始める前に、次の5つのポイントをチェックして準備してください。
【ポイント1】ABテストを行うタイミング
ABテストを行うタイミングは、ページからの成約に課題を感じているときです。課題はページによりさまざまですが、以下の場合に実施してみるとよいでしょう。
・アクセスがあるのに、成約率につながらない(直帰率が高い、離脱率が高い)など明らかな課題を感じている場合
・ページのファーストビュー(最初に目に入る部分、全員が必ず見る)に成約を左右するような要素(キャッチコピー、画像、ボタン)が多い場合
【ポイント2】ABテストを始める前には仮説立てを行う
ABテストはコンバージョン率を上げることです。すぐには結果につながらないこともありますが、「なんとなくやっている」という状態にしないことです。
まずはあなたのサイトを数値から冷静に分析し、仮説立てしてからABテストを実施しましょう。
「アクセスはあるが、申し込みボタンで離脱している。ボタンを改善するべき?」
「アクセスはあり、申込フォームへはたどりついている。フォームで離脱している?」
など、仮説を立てられるはずです。
現状の問題点をどう改善すれば、理想の状態に到達できるのか、どのような効果が期待できるのかを考えることがポイントです。
仮説立てした結果に対し、テストした結果が合うようであれば、サイトに反映して改善していきます。ABテストはあくまでも立てた仮説を検証するための手段であることをお忘れなく。
【ポイント3】十分なアクセス数(母数)があるか?
ABテストを行うためには、ある程度の母数が必要です。「ある程度」がどのくらいかというと、アクセス800以上は欲しいところです。800もないようであれば、100アクセスで暫定の改善をしていくのもよいでしょう。
成約率を上げる前に、そもそも十分なアクセスがないのであれば、アクセスを集める対策を検討してください。
広告を出せばアクセスを上げることはできます。しかし、受け皿のサイトの中身がしっかりしていないと垂れ流しになってしまうことをお忘れなく。
アクセスをあげることに関して、詳しくは以下をご覧ください。
【初心者向け】ブログをアクセスアップさせるのための2つのステップ
【キーワードとは?】 初心者を悩ますSEO対策キーワードの種類を解説
【キーワード設定】「どれ」を「どこ」へ「どうやって配置するの?」
キーワードの選定方法を徹底解説~集客力をUPさせる手順とは~
記事の書き方で集客できる初心者向け7つのコツと7つのステップ
【ポイント4】ABテストは一箇所ずつ行うこと
複数箇所を一度に変更してしまうと、成果の原因がわかりにくくなってしまいます。一度に試し、すぐ改善したくなる気持ちは分かりますが、慌てずに1箇所ずつ実施しましょう。
【ポイント5】ABテストには無料で使えるツールもある
ABテストの効果検証に使えるツールはたくさんあります。無料で手軽に使えるGoogleオプティマイズから使いはじめてみるのもよいでしょう。Googleアナリティクスと連携させて利用できます。
●Google オプティマイズ
https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/optimize/
ABテストはどこから始めるのか?
ABテストは影響の大きい箇所、目立つ箇所から始めます。
例えば次のような箇所です。仮説に合わせて、要素をひとつずつ検証していきます。
・トップページのヘッダー画像
人物の有無、人物の顔の表情、キャッチコピーと合っている?など
・キャッチコピー
ターゲット層に合ったコピーをテスト。続きを読みたくなる?うさんくさくない?画像やオファーとの組み合わせは適切? 字体は? サイズは?
・オファー
オファーの種類を変える? ミックスする? わかりやすさは適切? 差別化は?など。
・フォームのボタンの色など、申込みフォーム近辺
ボタンの文言は?設置場所は適切?色は適切? サイズは? ボタンに動きを出す? マイクロコピーは適切?
・申し込みフォーム
離脱率の高い箇所。入力フォームが多すぎないか? 入力の制約などは?
あなたのサイトをユーザー目線で見ると、実は
「オファーが魅力的ではない」
「キャッチコピーが相手目線になっておらず、全く響かない」
「申し込みまでの動線が複雑」
ということがよくあります。
サイト訪問者は、隅々まであなたのサイトを読んでくれるわけではありません。基本、読まないと考えてください。少しでも面倒なこと、分かりづらいことがあれば、忙しい訪問者はすぐ離脱してしまいます。
それを乗り越えて先を読んでもらい、さらに成約まで導くためには、まず、影響の大きい目立つ部分の改善をすることです。
ABテストの期間と継続について
ABテストは1つのURL内で期間別にやることもできますし、2つのページを用意して同時に行うことも可能です。工数や予算に合わせて選択しましょう。
ABテストの1サイクルは平日と休日を含めて1週間、最低2サイクルは確認してみたいものです。
また、ABテストは継続して行うようにしましょう。一度の検証で効果があったからといって、その効果が永続的に続くとは限りません。季節やトレンドに合わせて、ユーザーの反応はどんどん変化していきます。その変化に素早く対応していくためにも、日頃から計測を続けておく必要があります。
まとめ
以上、ABテストについて基礎知識を解説しました。ABテストはページの成約率を上げることが目的です。
ABテストを行うときは、目的をはっきりとさせ、仮説立てを行ってから始めましょう。一定期間のテストを終えたら、蓄積したデータをもとにページ改善に役立てます。
手間がかかるように思えるかもしれませんが、コツコツと小さな改善を繰り返していくことで、確実に成約率が上がっていきます。まずは大きな箇所(目立つ場所)から始めてみてください。常にユーザー目線でテストを行うようにしましょう。