【リピート率を上げるには?】自社ができていないことをチェックしてみようチェック一度購入してもらった後、リピーターになってもらうことが難しい。押し売りするわけにもいかない。なぜ、買ってもらえないのだろう? 継続的に取引してもらうにはどうすればいい?

と悩んでいる方へ。

継続的に取引をしてもらうためには、リピート率を上げていく必要があります。

一度購入してくれたからといって、継続的に購入してくれるとは限りません。そこで、本記事では、苦労して獲得した新規顧客を2回目の購入につなげられるよう、リピートの土台構築と方法についてお伝えします。

あなたの会社で取り組めていないことがあるかどうか、確認してみてください。

リピート率とは

リピート率とは
まず、なぜ、リピート率を上げることが必要なのかを考えてみましょう。

リピート率が高いと、継続的かつ効率的に売上を上げることができ、収益が安定します。ひとりの顧客から継続的に購入があれば、新規顧客を獲得するほどのコストは不要になります。

また、収益が安定してくれば、安心して宣伝広告費などにも予算を組むことができるようになります。新規顧客獲得とリピート客をバランス良く維持することができるようになります。

分かりやすく、通販を例に取ってみましょう。通販では大々的な広告や安価な初回購入を提供していますね。これは後のリピート購入が成り立っているから実現できることなのです。新規顧客をいかにリピート客に変え、維持できるかが、収益安定のポイントとなります。

また、リピート率が上がると、LTV(ライフタイムバリュー)という指標を上げることにもつながります。

LTV(ライフタイムバリュー)は「生涯価値」です。ひとりの顧客が自社のサービス利用を終了するまでに「どのくらいのお金を払ってくれるのか」を表しています。

LTVについて、詳しくは『【ライフタイムバリュー(LTV)とは】意味、計算式、売り方を分かりやすく解説』をご覧ください。

リピート率の求め方

リピート率の求め方
リピート率とは、新規顧客がその後、どのくらい繰り返し購入してくれているかを表す指標です。

リピート率を式で表すと、次の通りです。

リピート率=一定期間のリピート顧客数÷一定期間内の新規顧客数×100

この式を使って、まず自社の現状を把握してみてください。

リピートされない理由第1位とは

リピートされない理由第1位とは
リピート率が高ければ高いほど、LTVが大きくなり、収益に直結することは分かりました。

では、なぜ、新規顧客はリピートしなくなるのでしょうか?

「商品に不満?」「間に合わせで使っただけ?」「競合に乗り換えた?」など、いろいろな理由が思いつくかもしれませんね。

ところが、意外なことに、リピートしない理由第1位は「なんとなく忘れていた」なのです。

売り手の立場でいると常に自社商品のことを考えていますから、「なんとなく忘れていた」という理由を聞くと、驚く方が多いです。「あんなに商品のことを気に入って褒めてくれたのに?」「メルマガをいつも送っているのに?」と思うかもしれませんね。

しかし、この忙しい世の中で、あなたの商品をいつも思い出してくれるとは限らないのです。あなたも反対の立場であれば、思い当たることがあるのではないでしょうか。

となれば、「忘れてしまわないようにするには、どうすればよいのか」を考えればよいことが分かりますね。

リピート率を上げるための戦略

リピート率を上げるための戦略
リピート率を上げる具体的な方法はいろいろありますが、まずはその土台をしっかり築いておくことが重要です。

手っ取り早くリピート率を上げたくなる気持ちは分かりますが、行き当たりばったりでは継続的な収益を上げることができません。それどころか、押し売り感が裏目に出て、顧客離れを起こしてしまう可能性もあります。

本項では、リピート率を上げるための土台について、2つの観点から解説します。

1.商品設計
2.顧客教育・関係性構築・顧客管理

1.商品設計

商品設計
リピート率を上げていくためには、リピートしやすいような商品設計をあらかじめ考えておく必要があります。

今ある商品をそのままに、形態を変えることはできないか検討してみましょう。

1)リピート性の高い商品を企画する
2)関連商品を企画する
3)アップグレード商品を企画する
4)購入しやすい価格帯の商品を企画する

順に見ていきましょう。

リピート性の高い商品を企画する

・季節に関わらず使われる消耗品
・継続的に会費が発生するようなサービス
・定期購入、定期購読
・メンテナンスサービス

など、「継続性がある」「次回購入期間までが短い」「購入頻度が高い」ものがよいでしょう。リピート商品は「まず、最初の1回を使ってもらう」という工夫が必要です。

関連商品を企画する(クロスセル)

リピートは同じ商品を繰り返し購入してもらうことばかりではありません。購入した商品に関連する商品やサービスを提案することはできないか考えてみましょう。

関連商品を提案することは、顧客満足度を上げることにもつながります。

関連商品について、詳しくは詳しくは『【クロスセルとは】初心者向けに意味・メリット・例を超簡単6分で解説』をご覧ください。

アップグレード商品を企画する(アップセル)

すでに自社商品やサービスを購入した顧客は、アップグレード商品を売りやすくなります。品質やサポートが充実した商品やサービスを企画することはできないか検討してみましょう。

詳しくは『【アップセルとは】初心者向けに意味・メリット・例を超簡単5分で解説』をご覧ください。

買いやすい価格帯のものを企画する(ダウンセル)

ダウンセルとは、売上ゼロを防ぐ方法です。見込客が価格を理由に初回購入を迷っている、既存顧客が使用中の商品をやめようとしているなどの場合、もっと購入しやすい価格帯の商品やサービスをすすめることで売上アップを図ります。

少額でも財布を開いてもらうことで、新規顧客になってもらったり、リピート客の流出を防ぐことが可能です。

詳しくは『【ダウンセルとは】初心者向けに意味・メリット・例を超簡単5分で解説』をご覧ください。

2.顧客教育・関係性構築・顧客管理

顧客教育・関係性構築・顧客管理
「なぜ、顧客がリピートをしないのか」という理由の第1位は「なんとなく忘れているから」でしたね。

それを防ぐためには、顧客に思い出してもらう工夫が必須です。日頃からの「関係性構築」「顧客教育」が欠かせません。

「関係性構築」とは、顧客との信頼性を築くこと。「顧客教育」とは、商品やサービスの必要性を伝えていくことです。この両方を行っていく必要があります。

【関係性構築 x 顧客教育 ○】
商品の必要性を見込客が理解していても、あなたを信頼していないと、競合へ流れることも考えられます。あなたから購入する理由がないからです。

【関係性構築 ○ 顧客教育 x】
あなたのことを信頼していても、商品の必要性が伝わっていないと、なぜ、その商品を今買う必要があるのか理解できず、購入してもらえません。

まとめると、「関係性構築」と「顧客教育」は「なぜ、今、あなたからそれを買う必要があるのか」を理解してもらうためのものだということです。

セールスばかりに偏りすぎず、「関係性構築」と「顧客教育」も頻繁に行うようにしましょう。

「関係性構築」と「顧客教育」の手段は営業マンの訪問の他、メルマガやSNS、ダイレクトメール、ニュースレターなど、非対面での接触手段を取り入れるとよいでしょう(具体的な内容は、次項で説明します)。

また、「顧客管理」も大切です。「見込客」「新規顧客」「リピート顧客」に分けて購買履歴を管理し、戦略的なセールス設計を計画しましょう。

顧客の分類に関しては、自社独自で基準を作っていきます。たとえば、「リピート顧客」を次のように分けることも可能ですね。

・少額ながら頻繁に長く購入する層
・たまにしか購入しないけれど、高額商品を購入する層
・どんな商品でも喜んで購入する層

収益を最大化するために、数値測定、分析、仮説、検証、改善を目指してください。

リピート率を上げるためにできること

リピート率を上げるためにできること
リピート率を上げるための土台が必要なことを理解したら、次は具体的な施策を実施します。その際のポイントは次の2つです。

1)流出顧客を減らす
2)次回購入までの間隔を短くする/購入回数を増やす

新規顧客が離脱してしまうと、リピート顧客になることはありません。まずは流出を防ぎ、2回目の購入につなげます。

さらに、次回購入までのまでの間隔を短くしたり、購入回数を増やす工夫をして、LTV(ライフタイムバリュー)を上げていくようにしましょう。

流出顧客を減らす施策

流出顧客を減らす施策
流出顧客を減らすには、継続的なコミュニケーションが有効です。「なんとなく忘れていた」を防ぎ、競合に流れてしまわないように対策します。

・商品やサービスを使いこなせるよう、情報を届ける
・スタッフの対応や特典(クーポンやポイントを含む)、プレゼントなどで満足度を上げる
・次回利用しやすい(予約しやすい)ように手順を簡単でシンプルにする
・継続的な利用がどんなメリットをもたらすのかを伝える
・「他とは違う」という特別感を顧客に持ってもらう

次回購入までの間隔を短くする/購入回数を増やす施策

次回購入までの間隔を短くする/購入回数を増やす施策
次回購入までの間隔を短くすることで、リピートの回転率からLTVを上げることができます。

・車のディーラーや整体院などでは、「○ヶ月に○回はメンテナンスをしたほうが、効果があります」と啓蒙活動をする
・利用期限があるものを売る
・ポイントやスタンプなどは例えば3回で達成できるなど、すぐ来店したくなるような仕掛けにしておく(20回のスタンプカードなどイヤになってしまいますよね)

自社商品・サービスで何をすれば「次回購入までの間隔を短くする」「購入回数を増やす」を実現できるか考えてみましょう。

まとめ

まとめ
リピート率を上げると収益が安定します。まずは、リピートしやすくなる商品設計を行いましょう。顧客の「なんとなく忘れていた」を防ぐために、「信頼性構築」「顧客教育」「顧客管理」をベースに具体的な施策を実行することが大切です。

一朝一夕でできることではありませんが、コツコツと積み上げていくことで、確実に結果がでてきます。