差別化をしているつもりだが、なかなか思うような反応がない
商品やサービスの良さを発信しているつもりだが、成果が今ひとつだ
とお悩みの方へ。
機能的で理論的なマーケティングメッセージを伝えることは、確かにとても重要です。しかし、思ったような成果が出ていないのであれば、感情面の価値が十分に届けられているかチェックしてみてください。
商品価値を感情に訴えるのに有効な方法は自社の「ストーリー」を語ることです。自社のビジョン、信念、ミッション、こだわり、などをどんどん届け、共感や感動を起こしてみましょう。
SNSなどのWEB発信は共感や感動が拡散力につながりますので、「ストーリー」と相性バツグンです。
そこで、本記事ではストーリーをマーケティングに取り入れる効果やポイントを解説します。
「ストーリー」がマーケティングに有効な理由
モノがあふれている世の中で、自社商品を選んでもらうのは簡単なことではありません。
商品やサービスの機能面の差別化を一生懸命見込客に伝えても、なかなか購入には至らず、苦労した経験があなたにもあったのではないでしょうか。
商品の機能面を伝えることは必要ですし、確かに理解や納得はできます。しかし、見込客にとっては正直、他の商品と何がどう違っているのか分かりません。安くて良い商品はどこでも簡単に手に入りますので、あなたの商品でなくてもよいのです。
そういう状況を打破できるのが、感情面からも商品価値を伝えること。それに適しているのが、ストーリーです。
ストーリーを語ると、共感や感動を呼び起こすことができます。そして、「この企業(人)から買いたい」「誰かに教えたい、伝えたい」と思うようになるのです。売り込み感のない自然な広告といってもいいですね。
ストーリーを通して、見込客は次の3つに共感します。
・なぜ、それをやるのか
・どんな苦労があったのか
・どんな世界を目指しているのか
そして、「自分のために寄り添ってくれそうだ」「そんな想いがあるのなら、応援したい」という気持ちがアクションを呼ぶのです。顧客になってくれたり、人に伝えようとしたりします。
ストーリーはファンを作り出し、企業と人を結ぶきっかけになるのです。
ストーリーをマーケティングに活かすのは、大手企業のプロモーションのCMのように大掛かりなものは必要ありません。小さな会社でも、できることはたくさんあります。
たとえば、ホームページのビジョンや信念、ミッションを語るときにストーリーを交えてみる。商品紹介のページで開発のこだわり、苦労や困難を語ってみる。会社案内にも活かすことができるでしょう。
また、ネット通販のランディングページでは、ストーリーテリング形式のセールスレターは定番中の定番です。ダイレクトメール、メルマガなどでも使えます。ブログやSNS、営業トークでも伝えることができます。
大切なのは、その後セールスへつながる動線を意識して織り込んでいくことです。
ストーリーが強力な3つの理由
なぜ、ストーリーが人々を引きつけることができるのでしょうか。それには3つの理由があります。
1)ストーリーは好まれる
私たちはストーリーが大好きです。子どものころから物語を聞いて育ってきました。また、多くの人が本や漫画、映画などにお金を費やしています。ストーリーを読む、観ることに抵抗がないのです。
広告臭プンプンの煽り文句には見向もしませんが、ストーリーはついつい気になって引き込まれてしまうのです。
2)感情移入しやすい
人間は感情で行動します。自分が想定していた範囲を超えた分だけ喜怒哀楽の刺激が強くなります。そしてその感情を物語の中に投影して自分のことのように意識するようになります。自分のことのように感じるので、のめり込んでしまいます。
3)記憶に残りやすい
商品の仕様や証拠の細かいデータなどは、すぐに忘れてしまいます。ところが、ストーリーは記憶に残りやすい傾向にあります。たとえば、「浦島太郎」など幼い頃に親しんでいた物語をなんとなく覚えていませんか?
教訓などが物語やことわざになり、世界中で語り継がれているのはこうした理由からです。
共感・感動を呼ぶストーリー3つの条件
では、どのようなストーリーであれば、マーケティングに有効なのかを考えていきましょう。共感・感動を呼ぶストーリーの条件は次の3つです。
1)ターゲットが共感できること
2)なぜ、それをやるのか、どこを目指しているのかを示すこと
3)どん底から這い上がった経験や失敗を語ること
1)ターゲットが共感できること
商品やサービスはターゲットの悩みを解決するための手段です。ターゲットがその手段を使うことによって理想の未来を手に入れることがゴールです。
ストーリーは最終的にセールスへつながっていきますから、ストーリーを読むことで次のように思えることがポイントです。
「これは私のこと?」
「私より壮絶な苦労をしたのね」
「私もそんな風になりたい」
このように思うことで、共感や感動を呼びます。
そのためには、まず、しっかりとペルソナ設定ができていることが前提です。
ペルソナ設定については、「ペルソナ設定でブログ初心者の記事がターゲットに刺さるものになる」をご覧ください。
2)なぜ、それをやるのか、どこを目指すのかを示すこと
ストーリーの中では、「なぜ、それをやるのか」「どこを目指すのか」を示しましょう。
大好きな漫画を思い浮かべてもらうと分かりやすいですが、主人公は何か理由があって、大きな理想に向かって困難を乗り越えていきますよね。
「なぜ、それをやるのか」「どこを目指すのか」の中には、想いや情熱、理想があります。そこにターゲットが共感することで、初めて興味を持ってもらえるのです。
これらはすぐに出てこないでしょう。改めて聞かれると、戸惑ってしまうかもしれません。
そういうときは、まず言葉にしてみます。そして、「それはなぜ?」と自問してみましょう。
さらにその答えに「それはなぜ?」を繰り返していきます。
いざやってみると、頭で考えているほど言葉にできないので、最初は難しく感じるかもしれません。
人に分かってもらうためには、まず自分が分かっている必要があります。しつこい方法ですが、効果的ですので、取り組んでみましょう。
3)どん底から這い上がった経験や失敗を語ること
夢中になってしまうストーリーには、主人公が苦労や困難を乗り越えるシーンが必ずあります。
ハリウッドの映画でも、主人公が日常からどん底に落ちた後、成功を掴むストーリーになっていることが多いですよね。
あなたも、世界的に有名な大企業が創業当初大変な困難を乗り越えたストーリーに感動したことがあるのではないでしょうか。
創業時の苦労話や商品開発の失敗談は唯一無二のもので、絶好の差別化になります。ぜひ、ストーリーに取り入れてみましょう。
まとめ
マーケティングで戦略的にストーリーを語ることで商品やサービスの価値を感情面から伝えることができます。
そうすることで、共感や感動を呼び起こすことができ、自然に「この企業(人)から買いたい」「誰かに教えたい」と思ってくれるようになります。ストーリーを通して、企業と人をむすびつけるきっかけにし、ファンを増やしていきましょう。
ストーリーを語り、共感・感動されると顧客になってくれるだけでなく、SNSなどで共感の輪が拡散されていきます。そうなれば、労力をかけることなく、煽ることのない自然な広告を出せるようなものです。
自社だけにしかないストーリーを使わない手はありません。ぜひ、戦略的にマーケティングに取り込んでみてください。